竜宮城に連れてかれたが出禁になった話

ある日、いつもの様にゴミ拾いのボランティアをしながら海辺を歩いていると、頭の悪そうな小学生が亀をいじめていました。

 

俺「こらこら、やめなさい。亀なんていじめても特にリアクションが無いから面白くないだろう。別の生き物にしなさい」

 

そう言うと彼らは渋々、団地の方へ向かって帰って行きました。

 

すると亀が僕の顔を見ながら何か言っています。何を言ってるかわかりませんが、多分山崎賢人に似てるとかそんな事だろうと思い、気を良くした僕は亀と仲良くなりました。

 

背中に乗るようジェスチャーで伝えられたので仕方なく乗りました。甲羅がゴツゴツしてて、金玉の裏がそこそこ痛かったです。

 

すると亀は僕を乗せたまま突然海に潜り始めました。潜って30秒くらいで気づいたのですが、普通に息が出来ません。僕の知ってる物語と全く違ったので引き返して貰おうと、甲羅をぶん殴ってみたのですが硬すぎて気付いてもらえません。死ぬ一歩手前で、海の底に城が建っているのが見えました。竜宮城です。城に着くと、呼吸が出来るようになりました。

 

すると、竜宮城の奥から女の人が現れました。

女「亀、どうもね」

 

そんなに感謝されてないところをみると、この亀は別にこの城にとって重要なキャラでは無いんだなということがわかりました。

 

俺「おいおい、コッチは命がけで亀を助けたんだぜ?それなりの感謝の気持ちってものを見せて貰わなきゃ....ん?あれ、スマホ壊れてるなコレ。電源付かないもん。海に入ったからだな。御宅の亀のおかげで故障しましたわ。バックアップしてなかったのになー。いきなり海入るんだもん。せめてこれから深海行きますの一言でもありゃドライヤーとか持ってきたのになー。あーあ。息も出来なくて苦しかったし。どうすんのこれ」

 

仲間にすると面倒くさいが、敵にするともっと面倒くさいと言われた男、リボルバーズ丸谷のクレーム猛攻撃が始まります。

 

女「はぁ...では賠償します。とりあえず中へどうぞ」

女は舌打ちしながら亀を睨みつけていました。

 

中に入ると魚たちがダンスを踊っていました。

テーブルにはたくさんのご馳走が。

 

俺「お、何これ。食べていいの?じゃあ遠慮なく頂きます。....美味い!美味いわ!美味いけど一つ言っていい?目の前で魚ダンスしてんのに魚料理出されても食いづらいわ。踊ってる方か調理された方、どっちでもいいから下げてくれ」

 

踊ってる魚が退場させられてました。

ヒラメが「何すんだ、やめろー」と言っていて笑いました。

 

そしてさっきの竜宮城の女の子が隣に座ってきたので、軽く太ももを触ってみたのですが、いきなりビンタされ、部屋の奥から黒服の男が現れました。どうやらそういうお店では無いと。入って早々、出入り禁止を告げられました。

 

俺「出入り禁止はわかったが、さっきの賠償の話はどうなったんだ?え?」

女「これどうぞ」

 

玉手箱と呼ばれる箱を貰いました。

女「それではお気をつけて」

俺「ちょっと待て。さっきの料理をこれに詰めてくれ」そう言いながら貰った玉手箱を女に渡しました。こんな所でも僕の中の貧乏性が顔を覗かせます。

 

すると玉手箱を開けた女が突然ババアになりました。

俺「あっぶねー、そんなもん渡そうとしてたの?やる事が卑劣だわー」

 

怖くなった僕は急いで亀の甲羅に乗り、そのまま地上へ。帰りは高速海路を通って帰りました。

海中の高速は、「一般/ETC/亀」と書いてあって面白かったです。

 

これ実話なんで大したオチはございませんが、こんな感じです。皆さんは亀を助けたらスマホのバックアップは一応取っといた方がいいです。